酒類販売業免許の審査では、「人」「場所」「経営の基礎」「需給の調整」の4つの要件が確認されます。中でも、販売場の条件と、決算の内容や経験を確認する経営基礎の要件で審査が止まるケースが多く見られます。この記事では、4つの要件と、申請前に確認しておきたいポイントを整理します。

要件1:人的要件

申請者や法人の役員が、一定の欠格事由に当たらないことが求められます。たとえば、酒税法などの法律に違反して罰金刑を受けてから一定期間が経っていない場合や、国税・地方税の滞納処分を受けてから一定期間が経っていない場合などです。申請の際には、税金の納税証明書を提出します。未納の税金があると申請自体が進まないため、事前に確認しておきましょう。

要件2:場所的要件

お酒を販売する場所(販売場)は、ほかの営業と明確に区分されている必要があります。

  • 飲食店の中で持ち帰り用のお酒を販売する場合は、飲食スペースと販売スペースを分ける
  • ほかの会社と同じ部屋を使う場合は、販売場の区画を明確にする
  • 自宅で通販を行う場合は、事務所として使う部分を生活空間と区分する
  • 賃貸物件の場合は、販売場として使うことについて貸主の承諾を得る

販売場の図面や賃貸借契約書は申請書類にも含まれるため、物件を決める段階で確認しておくのが安全です。

要件3:経営基礎要件

事業を安定して続けられるかどうかが、決算の内容と経験の両面から確認されます。

決算の内容:法人の場合、直近の決算で繰越損失が資本金などの額を大きく上回っている場合や、直近3期連続で一定以上の欠損が出ている場合は、要件を満たさないとされています。設立したばかりで決算がない法人は、事業計画や資金計画で判断されます。

経験:酒類の販売や製造に関わった経験、または小売業などの経営経験が求められます。経験が足りない場合でも、ほかの事業の経営経験と酒類販売管理研修の受講などをあわせて、総合的に判断されることがあります。

資金:仕入れや販売場の準備に必要な資金を確保していることも確認されます。

特に、異業種から参入する会社や、新しく設立した会社は、経験と資金の説明をしっかり準備しておくことが大切です。

要件4:需給調整要件

お酒の販売が特定の相手だけに偏っていないかなどが確認されます。たとえば、会員や社員だけにお酒を販売することを目的とした団体などは、免許が認められないことがあります。また、全酒類卸売業免許やビール卸売業免許のように、地域ごとに免許の数が決められているものは、その枠の中で審査されます。

通信販売の免許で注意したいこと

通信販売酒類小売業免許では、4つの要件に加えて、扱うお酒の範囲が確認されます。国産のお酒を扱う場合は、製造者が一定規模未満であることを示す証明書などが必要です。また、ネットショップの画面に年齢確認や表示の仕組みがあることも求められます。販売予定の商品リストと、ネットショップの設計を早めに固めておきましょう。

申請前のチェックリスト

  1. 取る免許の種類は事業の形に合っているか
  2. 役員全員の欠格事由と、税金の未納がないか
  3. 販売場はほかの営業と区分され、使用の承諾があるか
  4. 直近の決算に大きな欠損がないか(新設法人は事業計画の準備)
  5. 酒類の販売や経営の経験を説明できるか
  6. 通販の場合は、扱う商品の範囲と証明書類を準備できるか

まとめ

酒類販売業免許の審査は、4つの要件を一つずつ書類で示していく手続きです。特に販売場と経営基礎の要件は、申請の前に準備しておかないと補正や不許可の原因になります。行政書士法人SUNでは、要件を満たせるかどうかの事前確認から申請書類の作成までお手伝いしています。

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